東北地方太平洋沖地震(東北・関東大震災)による被災歴史資料保全活動への支援募金のお願い

 去る3月11日の東北地方太平洋沖地震(東北・関東大震災)とそれにともなう津波により、岩手・宮城・福島・茨城など多くの地域で甚大な被害が発生しました。不自由な生活を余儀なくされている被災者の皆様にお見舞い申し上げますとともに、犠牲になられた方々とご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
 歴史資料ネットワークでは現在、各方面と連絡をとりつつ、被災地の状況の情報収集に努めております。しかしながら、今回の地震の被災の規模は甚大かつ広範囲にわたるものであり、今後、長期にわたる活動が必要とされることが予想されます。
 さらに今後、被災地に存在する宮城歴史資料保全ネットワーク、ふくしま歴史資料保存ネットワーク、山形文化財保存ネットワーク、新潟歴史資料救済ネットワーク、千葉県文化財救済ネットワークなどを中心とした歴史資料・文化財の救済・保全活動が開始された際、多くの時間と資金が必要となることも考えられます。
 これまでも大規模な災害が起きるとそれを契機に家や蔵、公民館や集会所などに古くから保管されていた歴史資料が盗難にあったり、被災地の混乱の中で売られたり、捨てられたりすることが多く、それにより、家族や地域の大切な記憶が失われてしまうということが起こっています。地域における歴史資料の流出・滅失を防ぐために、各方面と連携をとりつつ、すぐにでも歴史資料救出・保全活動を開始する必要があります。また、被災地の史料(資料)ネットの活動再開に備えて、その活動をバックアップする体制を整えておく必要があります。
 皆様には被災した地域の歴史資料の救出・保全活動の必要性について是非ともご理解を賜り、現地の歴史資料保全救済活動を支えるための募金をおよせいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

歴史資料ネットワーク

【東北地方太平洋沖地震被災地域の皆さまへ】歴史資料保全についてのお願い

 このたびの地震・津波により被災された皆さまに、謹んでお見舞い申しあげます。
 私たち、歴史資料ネットワーク(事務局・神戸大学文学部内)は、1995年に発生した阪神・淡路大震災の被災地で、歴史資料の救出・保全をおこなってきた、歴史研究者を中心としたボランティア団体です。私たちは、全国の歴史学会など関係団体から支援をうけて、被災地の自治体や住民の皆さまと協力しながら、家や地域で大切に保管されてきた資料の救出や文化財の被害調査などをおこなってきました。また、鳥取県西部地震や芸予地震・宮城地震や、2004年の福井水害、兵庫県・京都府北部での水害の際にも被災地における歴史資料の保全に取り組んでまいりました。
 またこの間、宮城歴史資料保全ネットワーク、山形文化遺産防災ネットワーク、ふくしま歴史資料保存ネットワーク、新潟歴史資料救済ネットワーク、千葉県文化財救済ネットワークなどと協同し、全国規模で歴史資料や文化財の保全活動を行ってまいりました。
 私たちがこのような活動を行ってきたのは、災害が起きるとそれを契機に家や蔵、公民館や集会所などに古くから保管されていた歴史資料が捨てられたり、売られたりすることがよくあるからです。

 【歴史資料とは】
  ◎古文書(和紙に墨の崩した文字で書かれた帳面や書類など)
  ◎古い本(和綴じの書籍など)
  ◎明治・大正・昭和の古い本・雑誌・新聞・写真・アルバム・絵・記録(手紙や日記など)・ノート
  ◎掛け軸などの書や絵画、古いふすまや屏風(古文書が下貼りに使われている場合がよくあります)
  ◎自治会・農会などの団体の記録や資料
  ◎古い食器・着物、農具、機織りや養蚕の道具など、物づくりや生活のための道具


 家や地域の記録としての書類、日記、写真やアルバム、古い書籍や軸物、生産や生活の諸道具などはすべて、家や地域の歴史を伝える貴重な歴史資料です。このように、意外と身近なところにさまざまな形で家の記録や地域の歴史を伝えるものが数多く残されています。これからの復興にあたって、家や地域の歴史が残ることは、心の支えにもなるのではないでしょうか。今回の地震により長く伝えられてきた古い記録や道具などがなくなってしまうとすれば、それは家にとっても地域にとても残念なことです。

【歴史資料は身近なところにあります】
 国や県、市町村によって文化財に指定されているような著名なものだけが歴史資料ではありません。昔の人の暮らしぶりなど、地域の歴史を知る手がかりとなるものすべてが歴史資料となります。これらのものは、皆さまのお宅の母屋や蔵、公民館や集会所、あるいはその中の和箪笥、長持・行李、段ボール箱やロッカーなどに収められています。一見すれば紙くずやゴミのようにみえるものでも、実際には貴重な歴史資料である場合がよくあります。皆さまのお宅や地域の公民館・集会所など身近なところに歴史資料は残されています。

【歴史資料の保全をお願いします】
 阪神・淡路大震災の際も、歴史資料の盗難、骨董商や古書店による買い漁り、また残念ながら廃棄されてしまった事例があります。こうしたことで地域の歴史資料が失われるのは残念なことです。また、水につかったり、泥にまみれたものも復旧が可能です。こうした点でお困りの際にも、下記の連絡先にご相談ください。

 被災地のみなさまにおかれましては、ご家庭、地域の歴史資料にご注意いただき、保全にご協力を賜りたく思います。また、もし歴史資料の処置にお困りの際は、下記の歴史資料ネットワーク直接ご相談ください。

《お問い合わせ・ご相談》
歴史資料ネットワーク(代表 奥村弘・神戸大学人文学研究科教授)
〒560-8532 神戸市灘区六甲台町町1-1 神戸大学文学部内
 電話&FAX 078-803-5565(平日午後1時から5時) 携帯 090-2703-4469(松下)
e-mail:s-net@lit.kobe-u.ac.jp


被災歴史資料保全活動支援募金

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上記の趣旨にご理解を賜り、現地の歴史資料保全救済活動を支えるための募金をお寄せいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

口座番号(郵便振替) 00930−1−53945
加入者名 歴史資料ネットワーク

【当募金の件に関する連絡先】
〒560-8532 神戸市灘区六甲台町町1-1 神戸大学文学部内 歴史資料ネットワーク
電話&FAX:078-803-5565(平日の午後1時から5時まで) URL:http://blogs.yahoo.co.jp/siryo_net
e-mail: s-net@lit.kobe-u.ac.jp

★「2016年熊本地震」による被災歴史資料保全活動への支援募金のお願いは【こちら】